- 【イタリアのABガイド】 木場しのぶ
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- フィレンツェ在住。ライター&コーディネーター。端午の節句生まれ。鯉幟を吊るす竹のように常に真っ直ぐに生きたいと願う極楽とんぼ。趣味・興味は多方面に渡るが、なによりも“食べて飲んで湯に浸かる”の3拍子をこよなく愛する。著書『蝦(エビ)で釣られたイタリア』(東洋出版)は涙と笑いの体験記。
イタリア・フィレンツェ・観光地・名所のABガイド記事
- 行き先:
- イタリア/フィレンツェ
- 旅行テーマ:
- 観光地・名所
- 掲載日:
- 2008/11/21
奇跡の橋「ポンテ・ヴェッキオ」の持つ幾つもの魅力
東側から見た「ポンテ・ヴェッキオ」。2階に「ヴァザーリの回廊」が確認できる
663年前の建造物
「古い橋」、という名前そのままの意味を持つ、フィレンツェ最古の橋「ポンテ・ヴェッキオ」。橋の上にアパートが立ち、それがピンクや黄色に塗られている、あのとてもユニークな橋です。テレビや雑誌などでご覧になった方も多いでしょう。
この橋は“1345年の建造”。――と、言うのは簡単なのですが、ちょっと考えてみてください!663年も前に作られたわけなのです。日本でいうと鎌倉幕府が滅亡し、足利が天下を取って間もなくの頃。そんな大昔の橋がそのまま存在し、今なお十分に役目を果たしているなんて、まるで奇跡だと思いませんか?
西側から見た「ポンテ・ヴェッキオ」
三つの魅力
その昔、アルノ川の最も川幅の狭いところに作られたという橋ですが、それでも85mほどあるそうで、決して短くはありません。三つのアーチ状の橋げたをふたつの頑丈な橋脚が支える形は、当時のヨーロッパでは初めての試みだったとか。そんな頭脳明晰な古人の秀作は今、まちで最も人通りが多いといってもいいくらい、毎日とても賑う観光スポットになっています。でもそれにはまた別の理由もあります。
まず、橋の中央にある東西に開かれたテラスからのパノラマの美しさ。次に、東側の店の二階を通っている「ヴァザーリの回廊」の魅惑。これは市庁舎であるヴェッキオ宮からピッティ宮を結んでいる約1kmの通廊です。三つ目は、両脇に軒を連ねる伝統工芸の金銀細工の店の煌びやかさ。
ひとつの橋がこんなに幾つもの魅力を持っているなんて、世界広しといえど他にあるでしょうか。
橋の両側に金銀細工の店が並ぶ。前方正面に大聖堂ドゥオモのクーポラが頭を出している
橋の歴史
さて実は、上に書いた「ヴァザーリの回廊」と金銀細工のお店の関係には謂れがあって、それがおもしろいのです。
というのは、橋が作られて約100年後、ここには街中のお肉屋さんが集合させられました。強い匂いを放つものを一箇所に集める、川の上であれば食用にされない部分などを直接捨てることができる、といういいアイデアですよね。
その後また100年ほどが過ぎ、1565年になって、ここに「ヴァザーリの回廊」が作られました。そしてさらに約30年。当時のトスカーナ大公、メディチ家のフェルディナンド1世の時代になって、これらの店は撤去されたのです。ピッティ宮(自宅)からウフィッツィ美術館(職場)までの通勤時に、窓から見える光景が目に耐えがたく、その上強烈な悪臭を放っていたからなんだそうです。肉屋さんと入れ替わったのはもちろん、現在の金銀細工のお店です。さすが!メディチ家らしいですネ。
夜のライブ風景。夏は毎日のようにあるが、冬場は回数が減る
奇跡の橋
最後に、この橋が“奇跡の橋”であるもうひとつの理由――それは、第二次世界大戦中に壊されなかった唯一の橋だから。連合軍がイタリアに上陸したとき、ドイツ軍はその侵攻を妨げるため、防衛線を引いていたアルノ川でポンテ・ヴェッキオを除くすべての橋を爆破しました。
ではなぜ、この橋だけが守られたのか…!? それは、いろいろな見解があって、本当のところを知る者は誰もいないとか。謎なのです。んー、残念ですね…。
ともあれ、奇跡の橋、ポンテ・ヴェッキオ。私は何百回と見ているのに、やっぱり毎回ため息がでてしまいます。是非皆さんにも、一度ご自身の眼で見て歩いてみてほしいですね!
【関連情報】
■ポンテ・ヴェッキオへのアクセス
サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩約10分。大聖堂ドゥオモから徒歩約5分。
※上記は記事掲載時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/11/21)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
イタリア・フィレンツェのツアー・航空券・ホテル
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