- 【カンボジアのABガイド】 井伊 誠
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- カンボジア在住。遺跡以外のカンボジアを旅する本トーマダーの発行人・編集人。王立プノンペン大学外国語研究所にてカンボジア語を学んだ後、人間の暮らしをテーマとして取材活動を開始。お気に入りはカンボジアの広々とした空、ちょっとしつこいカンボジア人のギャグ、バイクでカンボジアの田舎を駆け巡ること、酒の時間。
カンボジア・プノンペン・観光地・名所のABガイド記事
- 行き先:
- カンボジア/プノンペン
- 旅行テーマ:
- 観光地・名所
- 掲載日:
- 2008/09/12
カンボジアの伝統舞踊アプサラの復興に携る人々と触れ合ってみませんか
先生の指導のもと、アプサラダンスの練習に取り組む女の子たち
舞踊の形で踊り子が神に捧げる祈り
カンボジアの伝統舞踊アプサラ・ダンス(ロバム・アプサラ)をご存知でしょうか。インド文化に起源を発し、ジャワ島(インドネシア)のヒンドゥー教文化の影響も受けたといわれるカンボジアの舞踊は、頭や腕・足の微妙な動き、しなやかな手や指の曲げ具合といった踊りのなかのひとつひとつの動作に意味を持ち、全体でまとまった表現となっているのが大きな特徴です。9世紀頃に生まれた優雅で繊細なこの宮廷舞踊は、踊り子がアプサラ(天女)として神に捧げる祈りだと考えられています。その姿は天女アプサラが踊る姿として、アンコール遺跡の壁画にも描かれています。
シェムリアップ州に残るアンコール遺跡群のひとつバイヨン寺院(12世紀建造、都城アンコールトムの中心寺院)の回廊の柱に描かれたアプサラの舞いの浮き彫り
違った角度から伝統舞踊を見ることができる
観光客をターゲットにしたシェムリアップ州のレストランやホテルでは、このアプサラダンスを見ながら食事を楽しめるところがありますが、もう少し、身近な雰囲気でこの伝統舞踊に触れてみたい、舞踊の練習風景や歴史的な背景を知りたいという方におすすめしたい場所があります。首都プノンペンで伝統芸能の指導と継承に関する活動をしているカンボジアのローカルNGO「アプサラ・アーツ・アソシエーション(AAA)」です。ここでは、カンボジアの未来を担う子ども達に対し、古典舞踊や民族舞踊、伝統音楽の指導を無料で行なっています。
伝統楽器の練習に励む男の子たち。現在、AAAでは資金難により伝統楽器の先生を呼ぶのが困難な状態にある
内戦により絶命の危機に瀕した伝統文化
カンボジアでは1970年代の内戦(いわゆるポルポト時代)により、いにしえの時代から受け継がれてきた芸術や文化は破壊され、絶命の危機に瀕しました。アプサラダンスの踊り子も内戦前は王室舞踊学院で養成されていましたが、ポルポト時代、多数の優れた踊り子は処刑の対象となったり、命を落としたりしたのです。「あの時代、私たちの国に文化はありませんでした。」とAAAの副代表を務めるヴォンさんが語ります。彼女もかつては王室舞踊団の一員としてカンボジアの伝統舞踊に関わってきた人物です。伝統舞踊の継承者としてポルポト時代を生き抜いた数少ない人物であるヴォンさんは、死滅の危機にあった伝統舞踊を復興するために立ち上がり、1998年10月、AAAを創設。経済的に困難な立場にある子ども達を対象として、無料で舞踊を学ぶことができる場を作り、伝統舞踊の復興活動を始めたのです。
民族舞踊の練習をする男の子たち。ここで舞踊を覚えた子ども達のなかには関連する分野の職業に就き、活躍している子もいる
カンボジアの明るい希望に触れてみませんか
AAAの入り口を入って奥へ進むと、先生の指導のもと、子ども達が熱心に舞踊や音楽の練習に励んでいる姿が見られます。練習が始まるとそれまでふざけ合っていた子どもたちの表情は一変し、自分たちは祖先が受け継いできた文化の担い手であることを自覚しているかのような姿勢になります。指導をしている先生たちはみな、王立芸術大学で伝統文化を学んできた方々です。彼らの指導を受け、次世代の幼い子ども達が文化を継承していく。内戦からの復興途中にあるカンボジアは、まだまだ問題が山積みですが、そんななか自分たちの国を再建するため力強く生きている人々がいるのです。みなさんもAAAを訪れてカンボジアの明るい希望に触れてみませんか。
伝統音楽の歌を練習する子たち。舞踊を陰で支える存在だ
【関連情報】
■アプサラ・アーツ・アソシエーション(Apsara Arts Association)
住所:No 71, Street 598, Sangkat Phnom Penh Thmey, Khan Reussey Keo, Phnom Penh
電話:011-857424/012-857424
営業(練習時間):7:30から10:30、14:00から17:00
定休:日曜、祝日
料金:無料。ただしAAAは支援者の寄付によって活動資金を賄っているため趣旨に賛同される方にはぜひ少額の寄付をお願いしたい(一人5ドル程度)。
アクセス:セントラルマーケットからトゥクトゥクなどで15分程度。
※上記は記事掲載時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2008/09/12)
※渡航前に必ず現地の安全情報をご確認下さい。http://www.anzen.mofa.go.jp/
カンボジア・プノンペンのツアー・航空券・ホテル
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