イタリア・フィレンツェ・観光地・名所のABガイド記事
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「グレゴリオ歴」制定前にフィレンツェの教会で行われた黄道の研究
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フィレンツェ在住。ライター&コーディネーター。端午の節句生まれ。鯉幟を吊るす竹のように常に真っ直ぐに生きたいと願う極楽とんぼ。趣味・興味は多方面に渡るが、なによりも“食べて飲んで湯に浸かる”の3拍子をこよなく愛する。著書『蝦(エビ)で釣られたイタリア』(東洋出版)は涙と笑いの体験記。
グレゴリオ13世といえば?
「ローマ教皇グレゴリオ13世」といって真っ先に私が思い浮かぶのは、1582年の天正遣欧使節団。大友・有馬・大村のキリシタン大名が、まだ年端も行かない伊東マンショ他4名をこの教皇の元に派遣したことです。これはかれこれ10年前、私がイタリアに来る際に、彼らの心境を想像しては自分の背中を押していたからなのか…。
きっと多くの人が、もっともっと我々の生活に密着している「グレゴリオ歴」を思うはずですよね。紀元前にユリウス・カエサル(ジュリスス・シーザー)が制定したユリウス暦から、1600年有余の時を経て、時間の誤差を修正するべく制定されたグレゴリオ歴。10月4日の翌日を、10日飛ばして15日とした新しい暦。それがグレゴリオ13世によって制定されたのが、天正遣欧使節団の派遣と同じ1582年というところに、何かの縁を感じてしまうのは私だけでしょうか!?
フィレンツェで行われた実験
縁のことはさておいて、このグレゴリオ歴は、教皇の命によっての正式な研究は1579年から始められました。でもそれより以前に、ユリウス暦にずれを認識する人はたくさんいたのです。Ignazio Danti(イニャーツィオ・ダンティ)もそのひとり。天文学者であり数学者でありかつ、カトリック司教であった彼は、ここフィレンツェで実験を行っています。当時は、文学者や芸術家の庇護に積極的で、財力にも申し分のないメジチ家のコジモ1世の時代。納得しますよね。
取り付けられた3つの実験道具
実験がなされたのは、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会。教会でこんな偉大な実験がなされていたのです。彼は、1572〜75年にかけて3つの実験器具を取り付けました。ファサードの、向かって左手に影によって昼夜平分時を示す渾天儀の輪、右手に象眼儀。この象眼儀は、大理石上に複雑に組み合わさった直線や曲線、ローマ数字が並んでいるものです。私のような凡人には不可解なものですが、それでも興味は持ちますね(現在修復中)。
そして教会の中から確認できる「穴」。ファサード上部の丸いステンドグラスの左端に、太陽の動きによって時を測定する小さな穴が開けられているんです。そこから入って教会の床に落ちた光は、その光の縁に足や指を置いているととても顕著にその動きが見て取れます。これによって、夏至から秋分の日、冬至をへて春分の日と移り変わる太陽の動きを観測したのです。
残念なことに、コジモ1世が亡くなってその子フランチェスコ1世の時代になるとフィレンツェでの研究は中断されましたが、ボローニャに移ってからも研究は続けられ、その後グレゴリオ13世からローマに呼ばれています。
このフィレンツェで始めた研究が後の研究者にも大きな影響を与えたこと然り。講堂内の数々の有名画家の絵や中庭の回廊などの見所と共に、是非このイニャーツィオ・ダンティが残した功績も見ていってくださいね。
【関連情報】
■ Basilicata di Santa Maria Novella(バジリカータ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラ)
住所:Piazza Santa Maria Novella
電話:(+39)055-219257
入館料:2,5ユーロ
開館時間:9:00〜17:00(金、日祝は13:00〜)
定休日:なし
その他:チケット売り場は、〜16:30
掲載日:2008/04/08
※上記は記事掲載時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。
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