ベトナム・ホーチミン・美術館・博物館のABガイド記事
- 行き先:
- ベトナム/ホーチミン
- 旅行テーマ:
- 美術館・博物館
一度は足を運んでほしい――ベトナム戦争証跡博物館
- ベトナムのABガイド:
- 松野泰子
ホーチミン市在住。東京での出版社勤務を経て、「食べ物が美味しいから何とかなる」という根拠のない自信を頼りに2005年ベトナムへ移住。知らず知らずベトナムの虜になりつつ、食・健康・人をテーマに、ベトナムの情報を発信。現地発行の日本語情報誌『ベトナムスケッチ』を始め、日本の雑誌・webにも寄稿する。
年間40万人の観光客を集める博物館
ベトナムに旅行に行く目的は? 雑貨やアオザイなどのお買い物、ベトナム料理食べ歩き、最近では海辺のリゾート地でのマリンスポーツなども人気です。そんな観光地としてのベトナムも確かに今のひとつの顔。けれど、ホーチミン市に来たら、忘れずに一度は訪れてほしいのが、この「戦争証跡博物館」です。この博物館にはベトナム戦争時の記録がぎっしりとつまっていて、年間40万人もの旅行者が集まると言われています。
沢田、一ノ瀬……ジャーナリストが命を懸けた記録
塀に囲まれたシンプルな門をくぐると実際の戦闘に使用されていた戦車や戦闘機がいくつも並ぶ中庭に出ます。ここから5つのブロックに分かれた館内を自由に回ることができ、ジャーナリストによる戦争写真、戦時中の虐殺の記録、コンダオ島にあった拘置所の実物大模型、石川文洋氏の写真展などが見られます。特に1つ目の部屋に残る、世界のジャーナリストの遺作となった戦争写真の印象は圧倒的。沢田教一や一ノ瀬泰造など日本人ジャーナリストが残した記録写真も残っていて、この戦争に力をつくした彼らのメッセージをひしひしと感じることができるのです。
衝撃の事実を突きつけられて
写真以外にも、戦争で無惨に殺された市民の遺物や、枯れ葉剤の影響を受けて今も尚苦しんでいる人々の記録、ホルマリン漬けにされた胎児など、息が詰まるような衝撃的な展示物が続きます。博物館を歩いていて気がつくのは、西洋人の多さです、日本では「ベトナム戦争」なんて過去のこと、と思われているかもしれませんが、それでもこの博物館には毎日のおように大勢の観光客が訪れます。「目を覆いたくなるような」写真やパネルもありみあすが、それでも目を背けないで見ることが何より大切なのかもしれません。
過去と現実が交差するベトナムを感じて
この博物館を見て感じるのは、ここにある写真は決して過去のものではないということ。ベトナムには道を歩けば手足の不自由な、あるいは無い人がまだ多くいます。旅行中にこうした人に出会えば、(在住者でも)ぎょっとするもの。けれどその現実は、ついこの間起こった過去から繋がっていて、日本人である私たちも決して無関係じゃない、そんなことをこの博物館は教えてくれるはず。そして逆に、辛い現実を背負いながらも、ものすごいエネルギーと明るさで、新しい街を作るベトナムの人たちのパワーに改めて驚いてしまうでしょう。歴史の勉強が苦手な人も、ぜひ一度は足を運んでほしい博物館です。
【関連情報】
■Bao Tang Chung Tich Chien Tranh (バオタン・チュンティック・チンチャン)
住所:28 Vo Van Tan, Dist.3, Ho Chi Minh City
アクセス:中心地からタクシーで5分程度
電話番号:(+84)8-9306325
開館時間:7:30〜12:00、13:30〜17:00 (16:30が最終入館)
入館料:15000ドン/約115円
その他:日本語、英語、中国語、フランス語、ベトナム語のパンフレットあり
掲載日:2007/09/10
※上記は記事掲載時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。
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